Liability and Impeachment of the U. S. President : Accountability of the Chief Executive
Bibliographic Information
- Other Title
-
- アメリカ大統領の法的責任と弾劾 : 執行権の長のアカウンタビリティ
Description
アメリカ大統領の違法行為の責任はどう問えるのか。アメリカ憲法には大統領の免責について明文の規定はなく、在任中法的責任を司法で追及できるかは憲法問題となる。本稿は同憲法の構造的解釈や歴史、判例を分析しながらこれを検討する。民事責任には最高裁の判例があり、公務では絶対免責とされるけれども、刑事責任については判例もなく一義的ではない。執行権は刑事訴追権を含んでおり、その長が大統領であることに留意しなければならない。そもそも停滞が許されない執行権の長である大統領の法的責任を司法で追及することは、権力分立上適切といえるか。この問題は、大統領の憲法上の地位や責任を考慮して解釈していかなければならない。憲法は大統領のアカウンタビリティの究極に弾劾という制度を設けている。その要件は重大な犯罪や軽罪と規定しているけれども、その対象がどこまでかは明確ではなく、弾劾訴追を含めて制度運用は議会の裁量に委ねられる。ニクソン以降、弾劾では司法妨害が罪条となり、現大統領トランプについても議論となっている。弾劾の要件や手続きは憲法上明確ではなく議会の裁量に委ねられているけれども、弾劾の可能性を討議することは民主主義のプロセスであることに留意する。
Journal
-
- 法学新報
-
法学新報 125 (7-8), 27-104, 2018-11-21
法学新報編集委員会
- Tweet
Keywords
Details 詳細情報について
-
- CRID
- 1050295027686572672
-
- ISSN
- 00096296
-
- Text Lang
- ja
-
- Article Type
- departmental bulletin paper
-
- Data Source
-
- IRDB