アリトールがラットの体脂肪蓄積と盲腸形態に及ぼす影響

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  • Effects of dietary allitol on body fat accumulation and cecal morphology in rats

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希少糖アリトールはD-アルロースを還元して得られる糖アルコールであり、落葉性灌木の一つであるズイナにD-アルロースと共に高濃度に含有している。我々はこれまでに乾燥ズイナ粉末添加食をラットに長期間摂取させると、体脂肪蓄積が抑制されることを報告した。この効果はズイナに含有するD-アルロースとアリトールによるものであり、アリトールがD-アルロースと同様の抗肥満作用を有することが推察された。さらに、アリトールはマルチトールなどの糖アルコールと同様、腸内発酵性であり、約2 kcal/gのエネルギー価を持つことを明らかにした。本研究では、アリトールがラットの体脂肪蓄積および盲腸形態に及ぼす影響について、高発酵性糖類であるフラクトオリゴ糖と比較した。Wistar系雄ラットに対照食あるいはアリトール添加食を与え3週間飼育した(実験1)。また、高タンパク質の基礎食にショ糖、アリトールおよびフラクトオリゴ糖を規定量(0.4~1.2 g)添加した餌を20日間与えた(実験2)。その結果、アリトールは抗肥満作用を有すること、およびフラクトオリゴ糖よりも高い腸内発酵性を持つことが明らかになった。これらのことから、アリトールは機能性甘味料として有益である可能性があるが、アリトールの代謝経路や生理学的特性については、今後、詳細な検討が必要である。

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