宜蘭クレオールにおけるsound substitutionについて

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  • ギラン クレオール ニ オケル sound substitution ニ ツイテ
  • On the sound substitution of Yilan Creole

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抄録

Departmental Bulletin Paper

アジア太平洋の各地においては、戦前・戦中に持ち込まれた日本語が、長きにわたって現地諸語との接触を保ちながら使われ続けてきた。その接触によって最も大きな変化を遂げたのは、台湾東部の宜蘭県に住む原住民族の一部の人々が母語として用いている、日本語を語彙供給言語とするクレオール語(宜蘭クレオール)である。本稿では、このクレオール語に供給された日本語語彙におけるsound substitution(音的置換)について考察する。まず、現地語の音韻構造として、語中に母音が連続しないという点があげられる。また、現地語の音韻体系には、特殊音素の/R/(長音)と/Q/(促音)が存在しない。したがって、このような音を持つ日本語由来の語彙は現地語の音的フィルターによって、さまざまに置き換えられているのである。

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