トマト製品におけるThermoanaerobacterium属の増殖リスク評価

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タイトル別名
  • The growth risk of the Thermoanaerobacterium sp. in tomato products
  • トマト セイヒン ニ オケル Thermoanaerobacteriumゾク ノ ゾウショク リスク ヒョウカ

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抄録

本報では,これまでの研究で明らかにされていない,トマトジュース以外のトマト製品におけるThermoanaerobacterium属の増殖リスクを調査した。その結果,トマト製品のRI(可溶性固形分濃度の指標としての屈折率)が8.0以上かつpH 4.2以上4.6以下の範囲では増殖しなかった。そのため,RIおよびpHを調整した変法TGC培地を用いて,pH 4.2以上4.6以下の範囲におけるThermoanaerobacterium属の増殖リスクを調査したところ,RI 8.0では増殖し,RI 19.5以上であれば増殖しなかった。これらの結果より,トマト製品におけるThermoanaerobacterium属の増殖制御因子はRI以外にも存在することが示唆されたため,トマト製品に含有する有機酸であるクエン酸,リンゴ酸,ピログルタミン酸を変法TGC培地に添加して,Thermoanaerobacterium属の増殖リスクを調査した。その結果,クエン酸が単独で0.52%以上含有されると増殖せず,また有機酸同士の共存効果は確認されなかった。以上の結果から,トマト製品中においては,クエン酸がThermoanaerobacterium属の増殖制御に寄与していることが示唆された。

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