イチゴの光合成量と着果負担量の推定

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タイトル別名
  • Estimation of photosynthesis and fruit load of strawberry
  • イチゴ ノ コウゴウセイリョウ ト チャッカ フタンリョウ ノ スイテイ

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抄録

イチゴの光合成量と着果負担量を推定する手法を検討した。光合成量は,乾物生産量で表すこととし,積算受光量に光利用効率を乗じて算出した。積算受光量は,同一個体で簡易かつ経時的に現場で測定できるKinectを用いて推定した。着果負担量は,果実乾物増加量で表し,本研究で作成した果実肥大曲線を用いて推定した。推定した乾物生産量の推移はkinectで測定した直達光受光葉面積,日射量および光利用効率によって変動した。果実乾物増加量の推移は,果房の着果状況に大きく影響を受け,乾物生産量と果実乾物増加量の比較で,株が充実または消耗する時期を考察した。実測して求めた乾物増加量のうち果実などへの割合と推測して求めた乾物生産量のうち果実乾物増加量の割合を比較した結果,実測値の方が高く推移したものの,動向は似ていた。今後,調査データを集めて検証する必要はあるが,提案した手法を用いて,光合成量と着果負担量を同時に推定できることが示唆された。さらに,光合成量から着果負担量を差し引いた値が,株の充実または消耗を示す指標として活用できる可能性を示した。

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 21 (2), 205-211, 2022-04

    東京 : 園芸学会

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