新潟県の林業および木材産業の構造 : 2015年産業連関表による分析

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  • ニイガタケン ノ リンギョウ オヨビ モクザイ サンギョウ ノ コウゾウ : 2015ネン サンギョウ レンカンヒョウ ニ ヨル ブンセキ

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抄録

産業連関表を用いて新潟県における林業および木材産業の構造変化について分析した。分析は,主として全国および新潟県の平成27年産業連関表を用いて行い,出荷額,需給構造および付加価値の変化に関する分析では平成23年産業連関表も用いた。育林部門では,平成27年(2015年)の在庫純増が全国と比較して新潟県で高いことから,新潟県は立木の成長量に対する伐採量の割合が低いことが示唆された。素材部門では,影響力係数が全国および新潟県内の他部門と比較して大きく,また,育林部門への逆行列係数が大きいため,素材生産の増は育林部門を中心とした多部門への経済波及に効果的と考えられた。特用林産物部門では,新潟県における移出が約9割を占めていることから,県外需要が県内生産を牽引している産業構造にあると考えられた。木材部門およびその他の木製品部門では,特に木材部門における営業余剰の投入係数が負の値を示したことから,早急な改善が必要と考えられた。木材部門は,一般製材業以外の多くの業種をその範囲としていることから,営業余剰を増大するための要因の解明には,業容の異なる市場生産者への聞き取り調査に基づく分析が必要と考えられた。

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