加工用原料のためのビワ果肉の急速凍結および解凍後の褐変抑制

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タイトル別名
  • Quick freezing of loquat flesh for materials for processing and inhibition of browning after thawing
  • カコウヨウ ゲンリョウ ノ タメ ノ ビワ カニク ノ キュウソク トウケツ オヨビ カイトウ ゴ ノ カッペン ヨクセイ

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抄録

1)ビワの加工用原料を周年供給することでビワの消費拡大を図るため,ビワ果肉を凍結する際の冷却速度が解凍後の果肉品質に及ぼす影響を調査するとともに,塩化ナトリウムの解凍後の褐変抑制効果を調査した。2)シロップ液とともに真空包装したビワ果肉を凍結する場合,-30℃に冷却したエタノール中でブライン凍結すると,最大氷結晶生成帯を約90秒で通過し,凍結開始の約30分後には所定の温度に到達し,-20℃設定の冷凍庫による空気凍結に比べて極めて短時間での凍結が可能であった。3)-35~-20℃に冷却したエタノール中でブライン凍結したビワ果肉は-40~-20℃で空気凍結したビワ果肉に比べて,解凍後の減量率が有意に低かった。また,ブライン凍結果肉は空気凍結果肉に比べて弾性率および歪率20%点荷重が大きく,かつ,破断歪率が小さかったことから,歯ごたえがあり,かみ切りやすい物性であることが明らかになった。これらの原因は,ブライン凍結は急速凍結のため,氷結晶による細胞の損傷が軽度であったことが考えられる。4)ブライン凍結したビワ果肉を解凍後,塩化ナトリウム0.1~0.4%を含むシロップ液に30分間浸漬することで,食味に悪影響を与えることなく褐変を3~5時間抑制することが可能であった。

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