イチゴにおける送風機を用いた振動受粉が受精不良果の発生に及ぼす影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Effect of artificial pollination by wind using a blower on malformed fruit incidence in strawberries
- イチゴ ニ オケル ソウフウキ オ モチイタ シンドウ ジュフン ガ ジュセイ フリョウカ ノ ハッセイ ニ オヨボス エイキョウ
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説明
イチゴ栽培における着果促進のためのミツバチ放飼代替技術として,ハンディブロアを用いた振動受粉を試みた。本研究では,送風が着果に及ぼす影響について開花時期の異なる花房ごとに検証した。2020年10月25日~12月28日に開花した頂花房へ風速が10~15m/sになるように,1株あたり2~3秒,1週間に3回,送風処理を行った。その結果,送風処理区の可販果率は,‘かおり野’で90%,‘さちのか’で92%,‘ゆめのか’で77%であった。無処理区では正常に肥大した果実が得られなかったことから,週に3回の送風処理で十分に着果すると考えられた。次に,2021年1月20日~2月26日に開花した‘さちのか’,‘ゆめのか’の第1次腋花房,および2021年3月3日~4月16日に開花した第2次腋花房へ1週間に3回,1回と頻度を変えて送風し,ミツバチ放飼と受粉効果を比較した。その結果,第1次腋花房では,‘さちのか’の頂果における受精不良果の発生率は,ミツバチ放飼区で8%に対し,送風3回区で50%,送風1回区で81%と高くなった。一方,頂果以外の果実では,受精不良果の発生は少なく,ミツバチ放飼区と送風3回区で80%以上の高い可販果率が得られた。‘ゆめのか’も傾向は同じであったが,‘さちのか’より可販果率が低くなった。一方,第2次腋花房では,‘さちのか’の収穫果実全体の可販果率が送風3回区で97%とミツバチ放飼と同等であった。‘ゆめのか’の収穫果実全体の可販果率は,送風3回区では82%となり,ミツバチ放飼区の96%よりやや低くなった。また,両品種において,第1次腋花房,第2次腋花房ともに,送風1回区では受精不良果の発生が多く可販果率が低下した。以上より,イチゴにおける送風受粉は,‘さちのか’の年内,3月以降開花の花房ではミツバチ放飼と同等の受粉効果が得られ,代替技術として有効であった。しかし,1,2月に開花した花房の頂果や,‘ゆめのか’では受粉効果が低くなり,受粉効果の開花時期による変化や品種間差が認められた。
収録刊行物
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- 徳島県立農林水産総合技術支援センター研究報告 = Bulletin of Tokushima Agriculture, Forestry and Fisheries Technology Support Center
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徳島県立農林水産総合技術支援センター研究報告 = Bulletin of Tokushima Agriculture, Forestry and Fisheries Technology Support Center (8), 17-23, 2021-12
石井町 (徳島県) : 徳島県立農林水産総合技術支援センター
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050295568882715648
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- NII論文ID
- 40022822304
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- NII書誌ID
- AA12706883
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- ISSN
- 21891176
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- NDL書誌ID
- 031980692
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB
- NDLサーチ
- CiNii Articles