国際交流における学生の学び : グローバル人材育成の観点から

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  • Student Learning in an International Exchange Program : Developing Skills for a Globalized World

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抄録

本論文は,ハイブリッドで実施された英語プレゼンテーション大会への参加とその準備段階であるオンライン国際協働活動に約4ヶ月間取り組んだ学生が,どのような力を身につけたと感じるのかを論ずる。本研究の参加者は関西の2大学に所属する15名の大学生で,彼らはアジアの学生が協働で英語プレゼンテーションを行うWorld Youth Meeting(WYM)に参加するとともに,WYM 本番に向けて台湾の学生たちとオンラインで英語による協働活動を進めた。研究課題は,(1)WYM への取り組みで学生は「社会人基礎力」が身についたと感じるのか(2)WYM への取り組みで学生は「英語力」が身についたと感じるのか(3)WYM への取り組みで学生はどのような点に困難さを感じるのか,またその困難点に英語習熟度の影響はあるのか(4)WYM への取り組みで学生は何を学んだと感じるのか,の4つであった。参加者に質問紙調査を実施し,得られた回答データを分析した結果,参加者は「社会人基礎力」全般が身につき英語のスピーキング力とリスニング力が身についたと感じた一方で,「社会人基礎力」の中の“規律性”は身についたと感じておらず,英語のライティング力とリーディング力について向上を感じなかったことが明らかになった。英語に対する自信のなさを多くの参加者が報告していたが,英語習熟度によって困難と感じる内容は少し異なっていた。また,学生は英語表現,発表の方法,調査方法,チームワーク,異文化理解,リーダーシップの大切さなどを学んだと感じていたことがわかった。本研究結果に基づき,今後国際交流に取り組む際の注意点と改善策を議論し,提案する。

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