徳島県の高齢化をめぐる諸問題に関する一般市民への意識啓発事業セミナー実施報告

書誌事項

タイトル別名
  • トクシマケン ノ コウレイカ オ メグル ショ モンダイ ニ カンスル イッパン シミン エ ノ イシキ ケイハツ ジギョウ セミナー ジッシ ホウコク
  • Awareness-Building Seminar on Aging-Related Issues for the Public in Tokushima : Overview and Report

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抄録

我が国は2022年現在,世界で最も高齢化が進行しており,中でも徳島県は全国有数の高齢化先進県として,それにまつわる諸問題が全国に先駆けて顕在化しつつある。本稿は,こうした状況を踏まえ,筆者らが「徳島県の高齢化問題を地域で考えよう!」と題するセミナーを徳島大学において実施した結果と,今後地域で高齢化問題に取り組むにあたっての展望を概括するものである。 本セミナーは,高齢化問題への関与の有無にかかわらず,制度・分野ごとの「縦割り」や「支え手」「受け手」という関係性や年代を超えて集まった多様な参加者が,高齢化問題の概略を知り,考えや思いを共有する第一歩となった。参加者からは,今後徳島県が取り組むべき事項として,①「介護者の立場」を考えた支援,②健康寿命を延ばし,認知症の「予防」にもなる地域活動,③高齢者・認知症の人の経済的自立につながる社会的取り組みの展開,④多世代交流や地域の助け合いを促進するしくみの構築,等が挙げられた。 本セミナーにおける課題として,参加者による具体的な活動を導き出す前に,様々に異なる経歴,年代の人々の意見を効果的に集約し,相互の知見を共有する中で,次のステップをどのように見出し,具現化していくかが求められていることが判明した。今後,活動を継続する中で,地域社会での高齢化問題解決に資する,幅広い世代や多様な経歴を持つ参加者への効果的な意識啓発のあり方を徐々に明らかにしていきたい。

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