上下部消化管内視鏡検査における下部消化管内視鏡の挿入性の検討

書誌事項

タイトル別名
  • The Effects of Prior Esophagogastroduodenoscopy on Cecal Insertion in Same-Visit Bidirectional Endoscopy: A Pilot Study

この論文をさがす

説明

【背景】上部消化管内視鏡検査(EGD),下部消化管内視鏡検査(CS)を同日に施行する際に,既報ではEGDを先行してもCSの挿入時間に変化はなかったと報告されているが,日本の施設からの報告はない.今回EGD,CSを同日に施行する際,EGDを先行するとCSの内視鏡挿入が困難になるのか明らかにすることを目的とした. 【方法】2020年5月から8月までに鹿児島県立大島病院でEGDを先行したEGD+CS(以下E-C群とする)61例およびCSのみを施行した(以下CS単独群とする)120例を対象とした.挿入困難例の定義ついては,CS単独群での挿入時間中央値が326.5秒であったことから,挿入時間650秒以上の症例とした 【結果】挿入困難症例数は,E-C群:4例(6.6%),CS単独群:17例(14.2%)で両群間に有意差はなかった(p = 0.131).さらに,EGDの検査時間とCSの内視鏡挿入時間の相関係数は =0.09であり,相関はなかった.また,BMI 18.5未満と25以上の症例において,挿入困難症例数はE-C群がCS単独群と比較して有意に少なかった(p = 0.038). 【結論】EGDとCSを同日に連続して施行する際は,EGDを先行してもCSの内視鏡挿入が必ずしも困難になるとはいえず,既報と同様の結果であった.BMI 18.5未満や25以上の症例においては,EGDを先行するとCSの挿入が容易になる可能性がある.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ