『西方要決釈疑通規』の思想的位相 : 恭敬修の系譜と関連して

書誌事項

タイトル別名
  • 『 サイホウ ヨウ ケツシャクギツウキ 』 ノ シソウテキ イソウ : キョウケイシュウ ノ ケイフ ト カンレン シテ
  • The Doctrinal Phases of the Xifang Yaojue Shiyi Tonggui : In Relation to the Genealogy of Gongjing xiu

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抄録

基(六三二―六八二)撰述と伝わる『西方要決釈疑通規』(通称『西方要決』)は、三階教、禅宗、兜率天信仰をはじめとする他学派への対外観が見られ、中国仏教思想史研究において重要な研究対象と成り得る浄土教典籍である。しかしその成立背景はいまだに明らかになっておらず、思想史上に本書を位置付けることができないのが現状である。喫緊の課題としては『西方要決』撰述者の問題がある。すなわち基の真撰か後世の仮託かという結論の差異によって思想史的な位置付けが変わってくるのである。現状では基仮託説が有力であり、多くの先行研究がそれを前提に思想研究をおこなっている。ただ成立背景に踏み込んで考証をおこなったものは少なく、仮託説が必ずしも確定的という訳でもない。そこで本稿では先行研究を整理した上で論点を絞り、その成立背景を考察していく。具体的には『念仏鏡』など近接する典籍間の思想傾向から相対的に前後関係を判別するという方法論を用いて、『西方要決』の成立背景を検討する。そしてその際には両書の最も顕著な思想傾向である対三階教姿勢を手がかりとしたい。この作業によって唐代浄土教における『西方要決』の思想的位相が明確になるはずである。

『念仏鏡』

『念仏三昧宝王論』

三階教

四修

identifier:BR010700011478

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