夜間異常行動の病態生理 ~睡眠時随伴症とその最新の知見~

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タイトル別名
  • Pathophysiology of abnormal nocturnal behavior

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type:総説

睡眠時随伴症(パラソムニア)とは睡眠中や睡眠の前後で出現する望ましくない身体的なイベントの総称である。代表的なレム睡眠期のパラソムニアであるレム睡眠行動障害ではレム睡眠中に夢体験の内容に沿った複雑な行動を示す。ノンレム睡眠に関連するパラソムニアでは、1.錯乱性覚醒、2.睡眠時遊行症、3.睡眠時驚愕症の3つの疾患は「覚醒障害群」としてまとめられている。これら3つの覚醒障害はノンレム睡眠、特に徐波睡眠と呼ばれる深睡眠からの覚醒障害という共通点があり、いわゆる「寝ぼけ」と呼ばれる状態を基盤としながら意識変容を伴った複雑な行動を呈する。睡眠に関連した異常行動の領域はまだ不明な点も多く、睡眠障害国際分類の診断分類でも改訂のたびに睡眠関連摂食障害、睡眠関連解離性障害、カタスレニアなどが所属するカテゴリーも変遷してきた。近年はノンレム睡眠の問題と思われていた睡眠時遊行症でレム睡眠の覚醒閾値も高くなることなども報告されており、覚醒障害がレム睡眠からも生じる可能性も含めてレム関連パラソムニアとノンレム関連パラソムニアの関係も見直されつつある。

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