夢の感情に関する調査研究の概観

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タイトル別名
  • An Overview of Research on Dream Emotions
  • ユメ ノ カンジョウ ニ カンスル チョウサ ケンキュウ ノ ガイカン

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説明

夢は心理療法の中の重要な技法のひとつであり,夢の感情は臨床的にも有用な着目点である。本論文では,調査研究を概観することによって,現在までに判明している夢の感情に関する知見を整理して提示し,今後の研究のための展望を提示することを目的とした。海外の研究と国内の研究をそれぞれ概観した結果,夢見自体が心理療法と共通の機能を持ち,ネガティブな感情を伴う夢にはストレスへの対処といった機能があること,評定方法やサンプリング方法によって夢の感情の結果に違いが生じること,夢の感情の連続性に着目する必要があることが示された。今後の研究の展望として,臨床心理学的には,研究方法として夢見手の自発的かつ主観的な夢の報告や感情評定を用いるべきであること,日中の感情との不連続性にも着目する必要があること,日本人を対象とした基礎的な知見を生成すること,さらに心理療法過程における夢の感情の変化に着目する必要性が挙げられた。

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