術前診断困難であった肝門部 reactive lymphoid hyperplasiaの1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF PERIHILAR REACTIVE LYMPHOID HYPERPLASIA THAT WAS DIFFICULT TO DIAGNOSE PREOPERATIVELY

この論文をさがす

抄録

症例は40代男性.健康診断の腹部超音波検査で肝腫瘤および胆嚢壁肥厚を指摘され,当院消化器内科を受診した.造影CTでは肝実質には異常を認めず,肝門部に境界明瞭で辺縁平滑な約3 cm大の腫瘤を認めた.内部には少数の石灰化があり,腫瘤全体は早期相では濃染され,後期相では肝実質と等吸収~軽度低吸収を示した.MRIでは肝実質と比べT 2 WIで軽度高信号,T 1 WIで低信号であり,拡散制限を呈した.18F-FDG-PETでは同部にSUV max 3 . 3 の集積を認めた.MIBGおよびソマトスタチン受容体シンチグラフィでは同部に異常集積を認めなかった.これらの所見からCastleman病を第一に疑い,診断的治療目的に当院外科で病変が摘出された.病理診断はreactive lymphoidhyperplasia(RLH)であった.RLHは良性のリンパ増殖性疾患であり,肺,眼窩,皮膚,盲腸,肝などでの発生が報告されているが,肝門部発生の報告はないため画像所見と合わせて報告する.

収録刊行物

  • 横浜医学

    横浜医学 74 55-60, 2023-04-30

    横浜市立大学医学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ