高年出産における女性の情報ニーズ ソーシャルメディアにおける発言のテキストマイニングによる分析

書誌事項

タイトル別名
  • Information needs for women delivering at an advanced maternal age - Analysis by text mining of comments on social media

抄録

目的:女性の社会進出により晩婚化・晩産化が進み,全出生数における35歳以上の高年妊娠の割合は急速に増加し,高年妊婦への支援が求められている。スマートフォンの普及により,ソーシャルメディアの利用率は年々増加し,30歳代と40歳代の約9割がソーシャルメディアを利用している。多くの人から発信された情報ソーシャルメディアに書き込まれた内容を分析することによって,高年妊婦の情報ニーズを分析できる可能性がある。妊娠を希望する高年女性,高年妊婦,高年出産を経験した女性がソーシャルメディアで発言した内容を分析し,高年妊婦の情報ニーズを概観することを本研究の目的とした。 方法:研究対象は,2013年1月から2015年12月にベネッセコーポレーションが管理する口コミサイト『ウィメンズパーク』における「高齢出産ママの部屋」での“おしえて”マークに付記された発言のタイトル1242件であった。分析には,Text Mining Studio 6.2.0 for Windowsを使用した。発言タイトルの単語出現頻度をカウントし,係り受け頻度分析とことばネットワーク分析を行った。本研究は,関西福祉大学倫理審査委員会で承認を得て実施した。 結果:単語の出現頻度は,「病院」が最も多く,続いて,「羊水検査」,「妊娠」,「出産」,「不安」,「高齢出産」であった。係り受け頻度分析では,「病院‐探す」,「羊水検査‐受ける」,「胎児ドック‐受ける」の順に多かった。ことばネットワーク分析では,「病院」と「教える+したい」を中心としたクラスターが最も大きく,「妊娠」と「出産」を中心としたクラスター,「欲しい」を中心としたクラスター,「受ける」を中心としたクラスターが抽出された。 結論:高年妊婦は,出産する病院に関する情報や,羊水検査,胎児ドックなどの出生前診断を受けることができる病院の情報へのニーズ,同様の女性の経験や助言を教えて欲しいというニーズ,二人目や三人目の子どもを持つことに関しての情報へのニーズがあることが明らかとなった。

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