3枝病変に対する PCI 後,気胸を発症した 70代男性の症例

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抄録

症例は 70 代男性,既往歴はない.X 年 Y 月に呼吸困難,胸部絞扼感を訴え,当院一般内科を受診した.血液検査では心筋逸脱酵素上昇,心電図では II,III,aVF 誘導の ST 上昇,Ⅰ,aVL,V3〜 V6誘導の鏡面 ST 低下,心エコー検査では左室下壁の壁運動低下を認めた.ST 上昇型急性下壁心筋梗塞として緊急冠動脈造影検査を施行した.高度石灰化を伴う 3 枝病変であったが,心原性ショックを呈していたこともあり IABP を留置した上で,右冠動脈 # 1 の 100% 閉塞に対して PCI を施行した.血行動態は安定し心不全に対する薬物療法を行っていたが,入院経過中に左前胸部痛を認めた.12誘導心電図では時計方向回転,aVF 誘導の QRS 波>Ⅰ誘導の QRS 波×2,胸部誘導の R 波減高などの変化を認めた.胸部 X 線画像で左気胸を認め,心電図変化は左気胸によるものと考えられた.

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