『敵討身代利名号』: 翻刻と解題（下）

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  • テキトウシンダイ リ ミョウゴウ : ホンコク ト カイダイ(シタ)
  • Katakiuchi-Migawari-Myogo : A Review of the Subject and Transliteration(Part Ⅱ)

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前稿に引き続き、馬琴合巻『敵討身代利名号』(文化五年［一八〇八］刊）の翻刻をおこない、簡単な解説を付した。 　本作は、親鸞上人の十字名号による「身替り」の趣向をテーマとする仇討譚で、いわゆる神仏霊験譚に位置づけられるが、十字名号をめぐっては、超越者による予言とその実現という、いわゆる「読本的枠組」に類するものが設けらている。馬琴の読本著述における蓄積が合巻にも波及していることが窺え、興味深い現象と言える。詳細は、拙稿「馬琴小説における「身替り」―神仏霊験譚をめぐって―」(『読本研究新集』12、二〇二一年)を参照されたい。

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