1-4-13. 電気柵による農地へのアマミノクロウサギの侵入防止
書誌事項
- タイトル別名
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- Efficacy of Electric Fences in Preventing Invasion by Amami rabbit (Pentalagus furnessi) in Agricultural Land
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説明
アマミノクロウサギ(Pentalagus furnessi)(以下,ウサギ)による農作物被害が深刻化しており、特にタンカン園での被害防止技術の開発が急務となっている。一方、ウサギは特別天然記念物であり、現地では“保護と被害対策”の両立が求められている。本研究では、ウサギの侵入防止に向けた電気柵設置の有用性を検討した。【方法】徳之島のタンカン園(周囲100m、2 a)に架線高10~30㎝の電気柵を設置し、設置前23日間を対照区、設置後752日間を試験区とした。カメラで侵入個体を撮影し、両区の撮影率を比較した。試験区では、柵に対するウサギの行動反応をカメラで撮影し、タンカン樹の食害の有無を調査した。柵の資材費、設置と管理に要した時間についても調査した。【結果】対照区の撮影率69.6%に対し、試験区では0.3%と極めて低かった(P<0.01)。延べ1,626頭分の動画から、柵設置直後に通り抜けによる侵入(1頭)または柵に接触して感電(7頭)するウサギが観察されたものの、それ以外は柵を忌避する状況が大半を占め、タンカン樹への食害も皆無であった。資材費は78,000円と金網柵に比べて約40%安価であった。設置は2 名で約1 時間、生産農家は定期的に草刈りを行ったものの、管理面での負担は感じなかったと回答した。以上より、電気柵によるウサギの侵入防止効果は顕著であり、ヒトとの棲み分けを図る上で有効な手段になる可能性が示された。
収録刊行物
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- 南太平洋海域調査研究報告
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南太平洋海域調査研究報告 63 42-45, 2022-03-30
鹿児島大学
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050296586506640000
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- NII書誌ID
- AN1013531X
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- HANDLE
- 10232/00032723
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- ISSN
- 13450441
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB