ベトナム日系中小企業の人的資源管理と現地従業員の認識 ― 現地従業員への質問紙調査からの考察 ―

書誌事項

タイトル別名
  • Human resource management of Japanese SMEs in Vietnam and recognition of local employees -Insights from a Questionnaire Survey of Local Employees-
  • ベトナム ニッケイ チュウショウ キギョウ ノ ジンテキ シゲン カンリ ト ゲンチ ジュウギョウイン ノ ニンシキ : ゲンチ ジュウギョウイン エ ノ シツモンシ チョウサ カラ ノ コウサツ

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抄録

本稿の目的は, 今後ベトナムに進出する日系企業が現地従業員に対して,どのような人的資源管理(以下:HRM)を行うべきかを明らかにすることである。この目的に照らし合わせ,ベトナム・ハノイでの質問紙調査から考察した重要な点を3点確認する。1点目は,年功的処遇を好む者ほど,情緒的組織コミットメントを通じてリテンション意思は強まるということである。これを踏まえると,昨今,日本ではこのような年功的処遇を改めて,ジョブ型や成果型の人事制度を導入する動きがあるが,ベトナムにおいては現状,年功的処遇が有効な施策であるといえる。2点目は,現地従業員に配慮した施策だと考えられる,内部昇進,家族主義・平等な扱いは,情緒的OCおよびリテンション意思への効果は確認できなかったということである。3点目は,ジョブローテーションは,日本では作業員の多能工化という観点からよく実施される施策であるが,リテンション意思に負の直接効果を与え,現地従業員も望んでいない施策なので運用に注意が必要だということである。結局,作業者に対する年功的国籍企業との人材争奪戦において差別化となるのではないであろうか。

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