感情に着目したプロセスレコードについての一考察~精神看護学実習を通して~

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on the Process Records Focusing on Emotions –Through Psychiatric Nursing Practice –

この論文をさがす

説明

本研究は,精神看護学実習において,プロセスレコードを通して患者―看護師関係における看護学生の傾向を明らかにすることを目的とした。A大学の精神看護学講座におけるプロセスレコードは,患者の感情に着目して自己洞察を深められることを意図して取り組んでいる。そこで,精神看護学実習を終了した4年生28名の記録を対象に,プロセスレコードの内容を分析した。その結果,学生にとって関心事の方向が自分自身であり,患者の言動の背景に思いを寄せるに至っていない傾向が見出された。また,自己の内面への自覚に止まり,自責的になりやすく,傾聴する姿勢に至っていないことも明らかとなった。これらの自己課題の捉え方から,援助的介入に困難さを感じている学生の傾向が伺えた。 以上の結果から,心理的成長が追いついていないとも言える学生の特徴を踏まえたうえで,自己成長感を自覚できるような指導的介入の工夫が求められていることが考察される。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ