中学生における学校不適応感のプロセスに関する研究

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タイトル別名
  • The process of school maladjustment in junior high school students

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本研究の目的は,学校不適応感尺度の中学生版を作成し,学校不適応感のプロセスについて検討すること及び中学生の悩みごとの有無等により学校不適応感得点が異なるかについても検討することである。調査対象者は792名の中学生であり,質問紙調査を実施した。探索的因子分析の結果,<不適応徴候>,<被受容感の乏しさ>,<社会的コンピテンスの不足>の3段階ごとに下位因子が抽出された。本尺度は,不登校傾向尺度と有意な正の相関,社会的コンピテンス尺度と有意な負の相関がみられ.基準関連妥当性が備わっていることが確認された。また,プロセスとしては,<社会的コンピテンスの不足>が<被受容感の乏しさ>を媒介し,<不適応徴候>に影響を与えている過程が明らかとなった。また,悩みごとが有ると回答した生徒の方が無いと答えた生徒に比べて,学校不適応感の全ての下位尺度得点において有意に高かった。不適応徴候(情緒面),不適応徴候(行動・身体面),友人関係の不安,承認欲求の高さにおいて,スクールカウンセラーに相談したいことが有ると回答した生徒の方が無いと答えた生徒に比べて有意に高かった。最後に,悩みごとがある生徒へのスクールカウンセラーによる予防的介入方法の可能性について考察した。

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