ストローへの振動付与・音再生・流量変化が主観的な飲料摂取量に与える影響の評価

抄録

糖類を含む飲料の過剰摂取は,糖尿病や肥満などの生活習慣病のリスクを高める.飲料摂取量の自己制限を継続することは困難なため,満足感を保ちつつ摂取量を制御するシステムが求められる.そこで本研究では,ストローでの飲料摂取時の感覚を変化させることで,満足感を下げずに飲料摂取量を調整するストロー型のシステムを提案する.提案システムは,振動付与,音再生,流量変化という三つの機能をもち,これらにより本来の摂取量よりも飲料を多く飲んだとユーザを錯覚させ,摂取量を減少させることを狙う.振動付与機能は飲料を飲んだ時にストローを振動させ,音再生機能ではあらかじめ録音してある水を勢いよく飲んだときの音を再生し,流量変化機能ではストローの太さを細くすることで流量を変化させる.提案システムの各機能の効果を検証するために,それぞれの機能と機能オフの計 4 種類の状態のストローを使って被験者に同じ量を摂取したと思うまで飲料を摂取させ,その際の飲料摂取量を比較した.実験の結果,流量変化機能のみが,機能オフの状態と比べて飲料摂取量が減少した.

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