組織Slackにおける孤立ユーザと非活性グループの発見を目的としたコミュニケーション分析システムの開発

抄録

近年,Slack や Teams など様々なオンラインコミュニケーションツールが注目されている.これらのツールは,メールと異なり,組織内に閉じたコミュニケーションができることで情報の見落としが少ないという利点がある.さらに,チャット型で手軽にメッセージを送れることや,会話をトピックごとに分けられる(Slack ではチャンネルと呼ばれる機能)など,これまで用いられてきたメールよりも有用性が高い.そして,コロナ禍によるリモートワークの広がりにより,多くの企業で利用されるようになってきている.一方,オンラインコミュニケーションの弊害として,これまで職場で見えていたものに気付きづらくなっている点がある.例えば,組織に馴染むことができず孤立している社員は,出社状況や表情から汲み取ることができたが,オンラインではそれが見えづらい.うまく行っていないチームについても雰囲気で察することができたが,同様にオンラインでは見えづらい.本研究では,こうしたオンライン偏重による問題を解決するため,オンラインコミュニケーション履歴を分析するシステムを設計,開発した.今回,孤立しているユーザや非活性グループを発見するための指標を定義し,利用者の多い Slack を対象とした分析,可視化を可能とするシステムを開発した.本稿では,本システムの概要やシステムを用いた組織分析の結果,今後の展望について述べる.

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