県内分離乳酸菌を活用したサワービールの開発

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タイトル別名
  • Development of sour beer brewed by lactic acid bacteria isolated in Shizuoka Prefecture
  • ケンナイ ブンリ ニュウサンキン オ カツヨウ シタ サワービール ノ カイハツ

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抄録

静岡県由来の微生物を活用したサワービール開発を目的に,県内分離乳酸菌98株について麦汁モデル培地中における乳酸生成量を評価した。その結果,属種間および株間で生成量は多様で,既報と合わせ,これらから乳酸生成が良好な3属種4株(L. plantarum TIG-0372,L. plantarum NMZ-1139,L. casei TIG-0429およびS. harbinensis NMZ-1200)を選抜した。また,本県ビール酵母S. cerevisiae NMZ-0688について2-DG耐性付与による発酵能の強化を行い,乳酸含有麦汁モデル培地におけるアルコール生成能が市販ビール酵母と同等のS. cerevisiae NMZ-1242を取得した。これら乳酸菌4株および酵母2株(S. cerevisiae NMZ-1242および市販ビール酵母)を用い,ケトルサワーリング法による実験室規模サワービール試験醸造を行ったところ,S. cerevisiae NMZ-1242を用いた製成酒は主発酵期間が短く,バナナ様香気成分である酢酸イソアミルを多く含有した。官能評価では特定の株が高評価を得るとは限らず,乳酸菌と酵母の株の組合せが重要であることが示唆された。なかでも県独自の乳酸菌S. harbinensis NMZ-1200と酵母S. cerevisiae NMZ-1242を使用した製成酒は評価も良好で,地域性及び独自性のあるサワービール製造が可能と考えられた。

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