重症心身障碍児の脊柱側弯症に対する術前多職種カンファレンスの効果

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タイトル別名
  • Introduction of Preoperative Multidisciplinary Conferences for Scoliosis Surgery in Children with Severe Mental and Physical condition
  • ジュウショウ シンシンショウガイジ ノ セキチュウ ソクワンショウ ニ タイスル ジュツゼン タショクシュ カンファレンス ノ コウカ

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抄録

当院の整形外科では2019年より重症心身障碍児に対する脊柱側弯症手術を積極的に行っている。元々重度な脊柱変形は胸郭の変形による拘束性換気障害により術後の呼吸器感染症のリスクが高い上、基礎疾患に起因する胃痩や気管切開の存在、痙攣や脆弱な皮膚、言語的コミュニケーションの困難さなど複数の配慮すべき課題もある。周術期を安全に過ごすため病態や合併症の予防策を術前に討議する必要性が高まり、「術前多職種カンファレンス」を病棟看護師が導入した。開催した約10例の多職種カンファレンスに参加したスタッフ23名にインタビューを行い、カンファレンスの効果と今後の課題を検討した。カンファレンス開催の効果では61のコードから17のサブカテゴリーと11のカテゴリー、今後の課題は7のカテゴリーに分類された。インタビューからカンファレンスの効果を示すカテゴリーが分類され、カンファレンスの参加者が多職種協働の利点を実感していると考える。特殊な医療処置や合併症、既往が多い患者に術前多職種カンファレンスを行うことは、それぞれの専門性を発揮しながら共通の目標を認識でき、最善で質の高い医療と看護の提供につながるという効果が示唆された。また、今後の課題も明らかとなった。

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信州大学医学部附属病院看護研究集録 49(1) : 14-19, (2022)

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