新型コロナウイルス感染症に急性小脳炎を合併した小児の一例

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タイトル別名
  • A CASE OF CORONA VIRUS DISEASE 2019 WITH ACUTE CEREBELLITIS COMPLICATED

抄録

新型コロナウイルス感染症(Coronavirus disease 2019:COVID-19)は熱性けいれんや急性脳症など中枢神経合併症を発症することが知られている.今回,COVID-19を契機に頭部MRI画像異常を有する急性小脳炎を発症し,メチルプレドニゾロンパルス療法を施行して良好な経過を呈した症例を経験したため報告する.症例は14歳女児,基礎疾患としてPRRT2遺伝子変異に伴うinfantile convulsions with choreoathetosis,知的発達症を認めた.COVID-19罹患前に新型コロナワクチンを計 3回接種済みであった.受診数日前より気道症状を認め,構音障害と歩行障害が加わった.来院時に発熱を認めたため,SARS-CoV2抗原定量検査を施行して陽性であった.神経学的所見上,構音障害と失調性歩行を認めた.頭部MRI拡散強調像・FLAIRにおいて小脳半球の異常高信号を認めた.COVID-19と急性小脳炎に対して,メチルプレドニゾロンパルス,レムデシビルによる治療を開始した.徐々に失調性歩行は改善したが,構音障害は遷延した.小児科領域においてCOVID-19に頭部MRIで異常信号を有する急性小脳炎の既報告は 2 例のみであるため,文献的考察を含めて報告する.

収録刊行物

  • 横浜医学

    横浜医学 74 (4), 571-576, 2023-11-15

    横浜市立大学医学会

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