唇読みを取り入れた授業が読解力の向上に及ぼす影響―唇読みと音読の比較から―

書誌事項

タイトル別名
  • The Impact of Incorporating Silent Mouthing into English Education on Reading Comprehension

抄録

本研究の目的は,唇読みを取り入れた授業を実践することで,学習者の読解力が向上するかを検討することである。研究対象者は,英検準2級の取得を目指す高校2年生75名である。調査の結果から,唇読みを取り入れた授業を実践することで,学習者の読解力の向上に効果的だったということが明らかになった。唇読みをすることで,構音運動は伴うものの,音声としては発しないために,音声化することに注意力を注ぐ必要がないことから,内容を理解することに注意力を集中させることができ,学習者にとっては有効な一つの学習方法になりうるということが明らかになった。その一方で,読解力の低い学習者にとっては,必ずしも効果があるとは言い切れないことから,クラス全体で一つの方法を実践させるのではなく,個々の学習者に合わせて,音読と唇読みを選択させたり併用したりする授業を実践することが有用だと考えられる。

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