農山村地域における福祉事業展開の課題と農村福祉学の可能性:農山村福祉事業所の事例から

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タイトル別名
  • ノウサンソン チイキ ニ オケル フクシ ジギョウ テンカイ ノ カダイ ト ノウソン フクシガク ノ カノウセイ : ノウサンソン フクシ ジギョウショ ノ ジレイ カラ
  • Issues in Developing Welfare Services in Rural Areas and the Possibilities of Rural Welfare Studies: From a Case Study of Rural Welfare Offices

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抄録

農山村の集落住民の精確な実態をとらえぬまま,集落が「限界」であるとか,「消滅」するだとかといった議論があまりにも先行しすぎているのではないだろうか。そのような問題意識から,農山村の実際の姿について,実際に集落住民らの暮らしに寄り添いながら福祉的支援を実践している実践者から,直接その語りから得られることを丁寧に取り上げて,そして農山村の集落住民らの福祉的課題とその検討を精確に状況把握しつつ行うことが重要であると考えた。そこで,本研究では,農山村地域における福祉実践に関する状況を把握することを目的に,福祉事業を管理運営する立場にある支援者から調査協力を得て,インタビュー調査を行い分析した。分析には,佐藤(2014)による定性的(質的)コーディングを援用し,データからコーディングを行う帰納的アプローチを用いた。その結果,〈人材の確保・育成についての困難感〉,〈脆弱な状況に置かれるサービス提供〉,〈利用者の経済状況に左右されるサービス提供〉,〈農山村の人間関係の濃度のバランス〉の 4 カテゴリーが生成された。今後も,農山村における福祉的課題やその解決,そして体制の検討や構築を講ずることを中心的に含んだ概念の構造が必要となろう。そこで,「農村福祉学」の構想を提唱した。

ソーシャルワーク

質的分析

農村福祉学

identifier:FO002000011733

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