History and Making of History, Replacement of Personal History and Collective History : Haruki Murakami’s Long Essay Abandoning the Cat: When I Talk About My Father

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  • 歴史と歴史の生成、個人史と集団史の置き換え : 村上春樹長編エッセイ『猫を棄てる――父親に ついて語るとき』について
  • レキシ ト レキシ ノ セイセイ 、 コジンシ ト シュウダンシ ノ オキカエ : ムラカミ ハルキ チョウヘン エッセイ 『 ネコ オ ステル : チチオヤ ニ ツイテ カタル トキ 』 ニ ツイテ

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村上春樹の長編エッセイ『猫を棄てる』は大きな注目を集めたが、その理由は初めて自分の父親について語ったことと、父親の軍歴が詳細に記述されたからである。一方、先行研究を考察すれば、『猫を棄てる』をめぐる解読は、概ね「主体性」と「歴史」に分けられるが、エッセイの末尾に出た個人史と集団史の関係が看過できない。村上春樹は父親の生涯を詳細に描いただけでなく、親子関係にも触れ、エッセイの冒頭と末尾に2匹の猫も登場させた。村上春樹の父親の軍歴、村上の父子関係、さらに2匹の猫の象徴性と役割を考察すれば、『猫を棄てる』の主題は、歴史と歴史の生成、そして個人史と集団史の置き換えの仕組みだと言える。

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