[論文] 直良コレクションの葛生産オオカミ標本の放射性炭素(14C)年代測定による生息年代の決定と日本列島のオオカミの下顎第一臼歯の大きさの経時的変化について

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タイトル別名
  • [Article] Determination of the Radiocarbon (14C) Age for the Specimens of Wolves from Kuzuu, Tochigi Prefecture in the Nobuo Naora Collection of the National Museum of Japanese History, and the Temporal Changes in the Size of the Lower First Molars of Wolves of the Japanese Archipelago

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抄録

国立歴史民俗博物館に収蔵されている(故)直良信夫収集の栃木県佐野市葛生から産出したオオカミ(Canis lupus sspp.)の標本4点について,加速器質量分析計(AMS)による放射性炭素(14C)年代測定を行って,それぞれの個体の生息年代を明らかにした。また,14C年代測定によって年代が明らかとなった更新世以降の日本列島のオオカミを,個々の正確な生息年代で時間軸上に並べ,それぞれの下顎第一臼歯の近遠心径の大きさを指標として経時的な変化の様相を検討した。その結果,更新世の化石オオカミと現生ニホンオオカミとの間には明らかな大きさの相違と時間軸上での不連続が認められ,ニホンオオカミは更新世オオカミが小型化した「直系子孫」とは考えにくく,さらなる検証が必要であるとの結論を得た。

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