タンデム学習の会話における日本語学習者の他者開始 : パートナーの自己修復:ことばの説明に導く連鎖

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書誌事項

タイトル別名
  • Japanese learner “other-initiated” and partner “self-repair” as occasioning word explanations in tandem learning conversations
  • タンデム ガクシュウ ノ カイワ ニ オケル ニホンゴ ガクシュウシャ ノ タシャ カイシ パートナー ノ ジコ シュウフク コトバ ノ セツメイ ニ ミチビク レンサ

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抄録

本稿が取り上げるタンデム学習の会話において、パートナー(日本語母語話者)の発話に対し、学習者(日本語非母語話者)が他者修復を開始した後、パートナーが繰り返しにより自己修復したり、ことばの説明によって自己修復したりすることが見られる。パートナーがどのような状況においてことばの説明によって自己修復するのかを明らかにするために、本稿は学習者の他者修復の開始から、パートナーのことばの説明による自己修復までの会話連鎖に着目し、会話分析の手法を用い、会話連鎖の構造・他者開始-自己修復の方法・ことばの説明方法及び話者の認識性の表示に対し、分析を行った。その結果、次の点が明らかになった。パートナーがことばの説明をするまでに他者開始-自己修復が複数回行われることが見られる。また、会話連鎖において、聞き取りの問題を解決するためにトラブル源を繰り返して自己修復することが、理解の問題を解決するためにことばの説明で自己修復することよりも先に見られる傾向がある。学習者が他者修復を開始する際に認識性を明確に示すほど、パートナーによることばの説明を導き出しやすくなるため、言語学習への志向を表す有効な手続きであると考えられる。

収録刊行物

  • 阪大日本語研究

    阪大日本語研究 36 63-90, 2024-02

    大阪大学大学院人文学研究科基盤日本語学講座

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