現代新聞の「うれしい+名詞」表現における感情惹起のパターン

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タイトル別名
  • Expression Patterns of Emotionality of “Ureshii-plus-Noun” Constructions in Modern Japanese Newspapers
  • ゲンダイ シンブン ノ 「 ウレシイ+メイシ 」 ヒョウゲン ニ オケル カンジョウ ジャッキ ノ パターン

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抄録

感情形容詞の連体用法のうち、被修飾名詞が(感情主に感情を引き起こす)「対象」を表すタイプに注目して、その感情の引き起こし方に何らかのパターンがあるかを、典型的な感情形容詞「うれしい」の現代新聞における使用を例に検討した。パターンの取り出しに当たって、感情形容詞(感情)と被修飾名詞(感情の対象)との関係だけでなく、感情主(感情の主体)も加えて全体の関係を捉えることが必要であるとの見通しから、書き手と「うれしい」の感情主が一致する「一人称的使用」と一致しない「三人称的使用」との区分を分析の出発点とし、それと結びつきやすい被修飾名詞を統計的有意性の観点から取り出して、パターン取り出しの基礎的なデータとした。分析の結果、①感情主の一人称的使用において、被修飾名詞の表す〈言語的伝達〉の具体的な《内容》が感情を引き起こすパターン、②感情主の三人称的使用において、被修飾名詞の表す〈勝利に関する出来事〉の具体的な《状況》が感情を引き起こすパターン、③同じく三人称的使用において、被修飾名詞の表す〈人間活動に関わる事柄〉の具体的な《内容》が感情を引き起こすパターンの三種を取り出し、感情性や属性表現化の観点からそれぞれの特徴を検討したほか、パターン②を「枕詞的用法」とすることの是非についても論じた。

収録刊行物

  • 阪大日本語研究

    阪大日本語研究 31 73-88, 2019-02

    大阪大学大学院文学研究科日本語学講座

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