名詞型助数詞の用法 : 準助数詞「セット」と「組」を中心に

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書誌事項

タイトル別名
  • The usage of Nominal classifiers : focusing on comparison of -setto and ‒kumi
  • メイシガタ ジョスウシ ノ ヨウホウ ジュン ジョスウシ セット ト クミ ヲ チュウシン ニ

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説明

日本語では事物を数える際に、助数詞とよばれる接辞を義務的に伴う。現代日本語の助数詞には、「1 冊」の「冊」のように数詞と切り離して単独で用いることができないものと、「1 票」の「票」のように、名詞と同形であり、数詞と離しても単独で用いることができるものが存在する。本稿では、後者を「名詞型助数詞」とし、個別の助数詞である「セット」を取り上げ、類義の助数詞である「組」と比較しながら、なぜ「セット」という外来語の名詞が助数詞として使われるようになったのかを複数のコーパスの用例から考察し、名詞型助数詞の特徴について分析を行った。「セット」は、名詞本来の意味から、「役割に注目して一まとめにして数えることができる」という特性があるため、数える対象の事物の種類を問わず、「組」よりも柔軟な用法をもつ。名詞型助数詞は、典型的な助数詞と異なり、名詞をそのまま助数詞として用いることを特色としている。名詞を用いて対象を数えることにより、表現のバリエーションが生じ、さらに何をまとめ上げた表現なのか、ということが文脈の中でより明確になる利点があることが、「セット」の助数詞化に作用しているものと考えられる。

収録刊行物

  • 阪大日本語研究

    阪大日本語研究 27 109-136, 2015-03

    大阪大学大学院文学研究科日本語学講座

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