COVID-19流行下におけるA大学の大学卒業時看護技術到達度の現状

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タイトル別名
  • Current status of Nursing skill level at university graduation at University A during the COVID-19 pandemic
  • COVID-19 リュウコウ カ ニ オケル A ダイガク ノ ダイガク ソツギョウジ カンゴ ギジュツ トウタツド ノ ゲンジョウ

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抄録

本研究は,2021 年度と2022 年度卒業生のCOVID-19 の流行下における技術到達度のうち「未経験」の項目と,演習科目で教授している具体的技術内容の現状を明らかにすることを目的とする.研究対象は,COVID-19 流行により,臨地実習に大きく影響を受けた2 年間の卒業生とA 大学看護学部の専任教員である.技術到達度の内容は,厚生労働省が提示した技術到達度を元に独自で作成した内容である. 2021 年度は62 名(回答率63.3%),2022 年度は58名(回答率74.4%)の120 名の回答が得られ,「未経験」であった具体的技術内容のうち高い順に,【与薬の技術】35.4%,【症状・生体機能管理技術】32.9%,【呼吸・循環を整える技術】31.1%,【排泄援助技術】28.8%であった.卒業年度別比較では,28 の具体的技術内容において有意差が見られ,いずれも基礎看護学実習Ⅱの臨地実習に行けなかった2022 年度卒業生の「未経験」割合が高い結果となった.教授している技術内容は,専任教員19 名のうち8 名(回答率42.1%)から回答が得られ,有効回答率は36.8%であった.2 年間の教授状況において教授していないと回答した具体的技術内容は,8 項目であり,そのうち〔70.直腸内与薬の投与前後の観察ができる〕以外の「未経験」割合は低く,COVID-19 流行に関わらず学生が臨地実習で経験することが困難な具体的技術内容を含み,ほとんどの項目は学内演習で補充出来ていることが明らかとなった. 今後も教員間で学修状況と技術到達度について活用方法を検討し,講義や演習の組み立ての際の基礎資料とすることが望ましい.本研究結果を実習施設へ情報共有し,学生が経験できるよう実習施設と共に環境を整えることで,卒業後の看護技術面での不安の軽減と卒後教育への反映の一助となることが示唆された.

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