書誌事項
- タイトル別名
-
- On the Word Tan-on
- 「 タンオン 」 ニ ツイテ
この論文をさがす
説明
「単音」の意味・用法について,文献資料によって調べた(主にコーパス・データベース類を用いた)。その結果,以下のことがわかった。(1)現代日本語(書き言葉)においては,《音符の表す音》や《単旋律》など,音楽分野での使用が多い。これに次いで,《音声の最小単位》の意味でよく使われるが,具体的には,音節(モーラ)レベルの音ととれるものが多い。(2)「単音」は,中国では12 世紀に使われた例があり,中国語では,主に《単音節》の意味で使われている。日本では,江戸時代に,《音節》などを表すのに使われた例が見られる。明治以降は,さまざまな意味で使われようになるが,言語分野においては,《音節》,《母音》が主な意味であった。明治期の日本文典では,《母音》を「単音」とし,《音節》を「複音」と呼ぶ例が多く見られた。(3)「単音」を《音声の最小単位》の意味で用いる例は,明治後期に現れ,大正期には,抽象音声を表す「単音」が現れる。昭和初期には,音韻論的な単位である「音素」と区別して,「単音」を用いるようになった。
収録刊行物
-
- 拓殖大学語学研究
-
拓殖大学語学研究 (150), 1-28, 2024-03-31
拓殖大学言語文化研究所
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1050299826883998848
-
- NII書誌ID
- AA11868777
-
- NDL書誌ID
- 033436068
-
- ISSN
- 13488384
-
- 本文言語コード
- ja
-
- 資料種別
- departmental bulletin paper
-
- データソース種別
-
- IRDB
- NDL