乳幼児期における保育施設での生活への「適応」に関する論考

書誌事項

タイトル別名
  • ニュウヨウジキ ニ オケル ホイク シセツ デ ノ セイカツ エ ノ 「 テキオウ 」 ニ カンスル ロンコウ
  • The Concept of "Adaptation" to Life in a Child-Care Facility during Infancy

この論文をさがす

抄録

保育施設における生活で,子どもは集団・環境への適応が望まれている。そこでの「適応」とはいかなる状況をめざすものなのか。本研究では,諸々の学問分野や社会的側面において「適応」はどのような意味や位置付けで扱われてきたかを,先行する文献や研究より素描する。適応の概念は大きく分けて,環境や事象に対する適応と,ヒト自身の適応力の向上に分けられ,保育の中での適応は,集団適応,社会的適応,生活的適応,適応行動,心理適応が挙げられ,各視点から環境構成や援助方法などが検討されている。乳幼児にとっての適応とは,心理的に能動的かつ情緒的な安定を得ながら環境と適切に関わることと定義できる。子どもがどれだけ心地よく過ごしているかという子どもの居場所感を捉える視点と,子どもがどれだけ活動に没頭しているかの視点は,「適応」の情緒的な安定であり,子どもが園環境・生活に能動的に関わることが含まれることが分かる。その結果,「安心・安定」「夢中・没頭」の評定で「適応」を描写することが可能であることが示された。

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ