小学生は、Yes/No 疑問文に正しく答えられるか―正確さの改善をはかる実践を通して―

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タイトル別名
  • ショウガクセイ ワ 、 Yes/No ギモンブン ニ タダシク コタエラレル カ : セイカク サ ノ カイゼン オ ハカル ジッセン オ トオシテ
  • How Elementary School Students Answer Correctly to Yes/No Questions: Through Activities to Increase Accuracy

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抄録

本研究では、犬塚(2023)の結果を受け、正確さを改善する取組を実践した結果を分析した。犬塚(2023)では、先行研究としてRichards(1977)の6分類を用いて小学生のYes/No 疑問文に対する応答を分析している。6分類とは、分類1(Yes/No だけの応答)、分類2(Yes/No に続けて問いとなる疑問文の動詞か助動詞の繰り返しを含む文による応答)、分類3(YesかNoに続けて、新たな追加情報が付与された応答)、分類4(YesかNoはなく、問いとなる疑問文の動詞か助動詞が繰り返される応答)、分類5(Yes やNo、あるいはその中間の意味の類義語での応答)、分類6(文脈によって間接的に肯定か否定かを示す応答)である。小学生の応答では、分類としてもバラエティに富んだが、文法的な間違いが多く見られた。学習している過程であることもあり、文法的な間違いを減らすための取組を行い、再度同じインタビューテストに取り組ませ、その変容を調べた。その結果、児童が授業の中で耳慣れている表現でルールが理解しやすいものについては、大きな改善が見られたものの、まだ学習して間もなく耳慣れしていない表現では大きな改善には至らなかった。表現の学習を積み重ねながらも、児童の実態を踏まえ正確さの改善を目指した指導の工夫を続けていくことが必要である。より一層、児童の実態把握と改善のための手立てを明らかにするのが今後の課題である。

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