マウスにおける離乳前産児の骨格標本作製法の検討

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  • Study of preparation procedure for skeletal specimens of preweaning pups in mice

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抄録

医薬品や農薬などの開発において、新規化学物質による骨の発生毒性評価は妊娠末期の実験動物から摘出した胎児の骨格標本を作製し、骨格異常の発現の有無を評価することが一般的である。マウス、ラットまたはウサギなど発生毒性評価に汎用されている動物では、これらの胎児の標本作製方法は標準化されているが、それ以降の出生後産児の骨格標本の作製方法については標準化されていない。本検討では離乳前の生後 3 日、7 日および14 日のマウス産児の骨格標本の作製方法について、軟部組織を融解する水酸化カリウム水溶液の濃度と浸漬期間の条件を中心に至適条件の検討を行った。生後3 日および 7 日の産児標本では 1%、1.5%または 2%の水酸化カリウム水溶液に 2 日間浸漬する条件の各々3 群を設定し、生後 14 日の産児標本では 2%の水酸化カリウム水溶液に 2 日または 3 日間浸漬する条件、2.5%または 3%の水酸化カリウム水溶液に 2 日間浸漬する条件の 4 群を設定した。完成した標本は柔軟性と染色性の観点からスコア化し評価した。その結果、柔軟性と染色性に高スコアが認められたのは生後3 日標本、生後7 日標本および生後14 日標本では、各々1.5%水酸化カリウム水溶液に 2 日間浸漬した条件、2%水酸化カリウム水溶液に 2 日間浸漬した条件および 3%水酸化カリウム水溶液に 2 日間浸漬した条件であった。以上の結果より、生後 3 日標本では 1.5%水酸化カリウム水溶液に 2 日間浸漬する条件、生後7 日標本では2%水酸化カリウム水溶液に2 日間浸漬する条件、生後14 日標本では3%水酸化カリウム水溶液に2日間浸漬する条件が至適であると考えられた。

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