大学コンソーシアム大阪の活動と期待― 関西経済の地盤沈下を食い止められるか ―

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  • ダイガク コンソーシアム オオサカ ノ カツドウ ト キタイ : カンサイ ケイザイ ノ ジバン チンカ オ クイトメラレル カ

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抄録

[概略]関西経済は「 一人当たり県内総生産」(全国=100)で計測したところ,期初である1955年度の121.8と比較して大きく低下し,1997年度以降24年連続で全国平均を下回り,2020年度には94.2となっている(同年度の非三大都市圏88.6を上回るが,関東圏113.0や中京圏111.2に大きく水をあけられている)。中でも,大阪府に限ってみれば,1955年度の142.7から2020年度には過去最低の101.5まで低下している。これに対し,関西圏の大学・短期大学の学校数シェアや学生数シェアをみると,現在でも人口シェアを大きく上回っている(学校数で1.13倍,学生数で1.28倍)。関西圏の中でも,特に京都市が目立つ(人口シェアと比べると学校数で2.78倍,学生数で4.29倍)ほか,学校数では2府2県で,学生数でも京都府・大阪府で人口シェアを上回っている。年齢別人口全国シェアをみても,京都市や大阪府下の一部の市で大学生期の若者のウェイトの高さが確認できる。関西経済が地盤沈下する中で,大学・短期大学の数や学生数が相対的に多いことは,関西経済に残された一つの大きな機会である。現状,学生が卒業した後は関西圏に若者を引き留められていないが,今後はベンチャー企業の創出などで経済発展を牽引することが期待される。関西圏では,大学の魅力を高めるべく大学間の連携が活発である。全国大学コンソーシアム協議会の事務局を務める公益財団法人大学コンソーシアム京都が有名であるが,特定非営利活動法人大学コンソーシアム大阪も健闘している。本稿では,大学コンソーシアム大阪の活動(とくに,筆者が関与している大学間連携<単位互換を含む>に焦点をあてる)や法人概要を紹介するとともに,その発展に対する期待を述べる。

収録刊行物

  • 商経学叢

    商経学叢 70 (4), 1-36, 2024-03-31

    近畿大学商経学会

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