ドイツにおける患者の事前指示法制をめぐる動向および学説に関する一考察

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  • Eine Betrachtung über Trends und Theorien zur Patientenverfügungsgesetzgebung in Deutschland
  • ドイツ ニ オケル カンジャ ノ ジゼン シジ ホウセイ オ メグル ドウコウ オヨビ ガクセツ ニ カンスル イチ コウサツ

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ドイツでは「患者の事前指示」(Patientenverfügung)が,2009年9月1日より,ドイツ民法(BGB)において法制化されている。ドイツにおいては,こうした立法以前から,患者の事前指示に対する関心の高さがあったことが指摘される一方,患者の事前指示を制度化するにあたっては,特にその拘束力の強さをめぐって,議論が存在していた。  本稿では,ドイツにおける制度についての比較法研究を行うという趣旨から,当該立法以前におけるドイツ判例の動向,立法に際しての各草案,あるいは立法後の評価をそれぞれ取り上げた上で,ドイツの現行法における制度の概要,また,現行法に対して指摘されている問題点を検討する。そして,ドイツの現行法に対する評価として,これを積極および消極に理解する見解をそれぞれ取り上げた上で,今後の日本において患者の事前指示,あるいはこれに類する制度を構築するにあたり,どのような視座を抽出することができるか,という見地から,これらの学説に対しての検討を加えた上で,一定の私見の提示を試みるものである。

Journal

  • 法学新報

    法学新報 129 (12), 111-153, 2023-03-24

    法学新報編集委員会

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