COVID-19拡大期の回復期リハビリテーション病棟における患者と家族の退院後の生活の充実につながる看護

書誌事項

タイトル別名
  • Nursing for Enhancing the Post-Discharge Lives of Patients in a Convalescent Rehabilitation Ward and Their Families during the COVID-19 Pandemic
  • COVID-19 カクダイキ ノ カイフクキ リハビリテーション ビョウトウ ニ オケル カンジャ ト カゾク ノ タイイン ゴ ノ セイカツ ノ ジュウジツ ニ ツナガル カンゴ

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抄録

本研究の目的は、COVID-19拡大期に工夫した看護が、どのように患者と家族の退院後の生活の充実につながったのかを分析し、その看護の重要性と課題を検討することとした。  対象者は、A回復期病棟に入院中の患者3名と家族7名、看護師4名であった。患者と家族への電話訪問によって、退院後の生活の現状を把握した。電話訪問を行った看護師4名に、入院中に実施した看護について半構成的面接を行った。  患者と家族の退院後の生活の充実につながった看護は、【退院後の生活や患者の状態に合わせたADLの向上支援】【日常生活の中での認知機能の維持・向上支援】、【患者の状態と退院後の生活の変化の家族への説明】【退院後の生活に必要な社会資源のアセスメントと調整】等であった。自宅訪問できない中、家族に自宅の写真を撮影してもらい作成した家屋調査票を基に、自宅での生活状況を患者と家族から聞き取ることで、退院後の生活環境や生活の様子を把握した。面会制限がある中で、電話や荷物交換での来院時に家族に患者の様子を伝え、家族から自宅での生活等の情報を把握した。外出泊制限によって、入院中に自宅での動作確認等ができないため、退院直後から専門職による援助が継続できるように社会資源を調整するといった工夫を行っていた。  そして、COVID-19により様々な制約が生じた中でも、看護師は一人ひとりの患者と家族の自宅での生活、家族との関係性、家庭内での役割、今後の生活の希望と価値観、回復への意欲や考えをもつ人であると捉えた。このように、患者と家族を生活者として捉える姿勢をもち、退院後の生活を把握する方法を工夫し、看護を行うことが、COVID-19拡大期においても、患者と家族が退院後の生活を自分らしく営むことを可能にしたと考える。  課題として、退院後に生じる困りごとに対する看護、認知障害をもつ患者と家族への看護の質の向上が考えられた

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