日本の精神医療保健福祉分野における精神障害当事者が主体となる服薬の実践や支援に関する研究―減薬・断薬の潮流をふまえた文献研究を中心として―

書誌事項

タイトル別名
  • Literature Research on the Practice and Support of Medications by People with Mental Disorder in the Field of Mental Health and Welfare in Japan
  • ニホン ノ セイシン イリョウ ホケン フクシ ブンヤ ニ オケル セイシン ショウガイ トウジシャ ガ シュタイ ト ナル フクヤク ノ ジッセン ヤ シエン ニ カンスル ケンキュウ : ゲンヤク ・ ダンヤク ノ チョウリュウ オ フマエタ ブンケン ケンキュウ オ チュウシン ト シテ

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抄録

《目的》本人が主体となって行う向精神薬の服薬に関する近年の日本での言説の変遷や動向について、文献研究から明らかにすることを目的とする。近年の動向として「減薬」「断薬」にも焦点を当てる。 《方法》対象とする文献は、国立情報学研究所の論文検索サイトCiNii Researchを用いて決定した。まず、「精神科×服薬×自己決定」で4本「精神科×減薬」で26本、「精神科×断薬」で37本、「精神障害×アドヒアランス」で15本が検索された。最終的には、研究論文45本、書籍3冊を対象とした。 《結果》対象文献から研究目的に関連した内容を以下の5点に整理し説明した。それは、「日本における減薬を推進するに至る経過と新たな動向」「向精神薬に関する多様な見解」「向精神薬の減薬に肯定的な医師の臨床経験」「当事者の主体性を尊重した服薬支援」「当事者の権利としての減薬・断薬」である。 《考察と結論》精神科治療における当事者主体の考え方は、リカバリー概念の具現でもある。当事者運動と結びついて向精神薬の減薬・断薬が、世界的には一つのムーブメントになっている。今後、日本でも、当事者の服薬や治療に対する主体性の喚起や、権利の回復に関する運動が活発になっていくだろう。精神科看護師や精神保健福祉士は、その活動にどのように関与し貢献できるのかを探求する必要がある。

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