新食感を有する発酵乳製品の開発

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  • Development for a novel yogurt product with a unique texture

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抄録

発酵乳製品のひとつであるヨーグルトは、消費者の健康志向から市場の拡大が進んでいる。一方でヨーグルトは「スプーンで食べる」「冷蔵品である」というように様態が固定化している。そこでマーケティング観点から、より幅広いシーンでのヨーグルト摂取を想定した新たな様態として、「スプーンを使わずにつまんで食べることのできるヨーグルト」の商品開発を試みた。 20 ~ 50 歳代男女5 名で市販ヨーグルト9 品の官能評価を実施し好まれるヨーグルトを調査した。さらに評価の高かった5 品についてターゲット層である20 歳代女性8 名で官能評価を行なった。最も評価の高かった「ギリシャヨーグルト」は濃厚な味と食感を有していた。この商品を種菌として予備試作を行ない、原料乳、ゲル化剤、乾燥方法の検討を行った。業務用の乳酸菌4 菌種を用いて本試作を実施し、物性測定、官能評価を行なった。乳酸菌を甘味と酸味のバランスが好ましかった2 菌種(Y8/ Y9)に絞り込んだ。物性検査で市販ヨーグルトに対して、試作ヨーグルトはおよそ40 ~ 47 倍のかたさ(応力)を示した。8 名による試作品3 品(高さ1.3cm の円柱形ヨーグルト)の官能評価では、乳酸菌Y9 を用いた試作品が総合評価で最も高い評価を得た。商品コンセプトとして「スプーンがいらない!指でつまめるヨーグルト」として商品提案が可能となった。しかしチーズに近い風味を感じたため、商品化する場合は味の改善が求められる。

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