国家公務員における人事制度の硬直性と職員のキャリア形成・キャリアパスに関する一考察 : 組織のロジックと個人のロジックの対立・葛藤に着目して

機関リポジトリ Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • コッカ コウムイン ニ オケル ジンジ セイド ノ コウチョクセイ ト ショクイン ノ キャリア ケイセイ キャリア パス ニ カンスル イチ コウサツ : ソシキ ノ ロジック ト コジン ノ ロジック ノ タイリツ カットウ ニ チャクモク シテ
  • A study on the rigidity of the personnel system in national public officialsand the career development and career paths of employees : focusing on the conflicts and contradictions between organizational and individual logic

この論文をさがす

説明

本研究は、国家公務員人事制度の硬直性と職員のキャリア形成・キャリアパスについて、組織のロジックと個人のロジックの対立に着目し、人事制度の課題を明らかにする目的から、国家公務員(民間からの出向者を含む)を対象に行ったインタビューの分析を行った。分析の結果、組織のロジックと個人のロジックの対立、葛藤がみられた。具体的には、組織の前例や慣例に基づき、職員の個人性を捨象して貢献を期待するという組織のロジックと、職員が個人としての意思を持って主体的・自律的に自らのキャリアパスを選択し、やりがいや成長を感じながら働くことを望むという個人のロジックの対立、葛藤がみられた。かつては、組織のロジックが優先していたが、近年の高い離職率などを背景に、組織側も、個人のロジックをないがしろにできず、両ロジックが均衡しつつある。また、労働環境などが職員のモチベーションの低下や離職の要因となっていることは否めないが、それが決定的な理由というよりは、人事制度の硬直性や、多様化する職員の主体的・自律的なキャリア形成の志向の変化に人事制度が追いついておらず、組織のロジックと個人のロジックの対立・葛藤が深まっていることが課題であることが浮かび上がった。

収録刊行物

  • 人間文化研究

    人間文化研究 41 49-64, 2024-01-31

    名古屋 : 名古屋市立大学大学院人間文化研究科

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ