教員不足に向けた教育環境の改善に対する学生の認識

書誌事項

タイトル別名
  • Student's Understanding of Improvement of Educational Environment for Teacher Shortage

説明

「教員不足」とは,学校に配置されている教員の数が,各自治体において学校に配置することとしている教員の数を満たしていない状態を指す.この教師不足は未だに改善されていない問題であり,様々な政策や取り組みが行われている.しかしながら,教員不足の議論を行う上で職場環境における若者の視点はあまり重視されていない.本研究では,教職を目指す大学生,あるいは教職を志望しない大学生を対象に,教員不足の主な原因の一つとして考えられる教員の労働環境に対してどのような認識をもっているのかについての調査を行った.その結果,教員が「ブラック」と捉えられる理由として,教職を目指すか否かにかかわらず,労働時間が長いことを問題視していることが明らかとなった.それに加えて,教職を目指す学生は研修の多さを,教職に就かない学生は生徒指導に対して問題視をしていることが示された.これらの問題に対して,教職を目指すか否かにかかわらず,学習指導の時間確保や給与面について改善が必要であると捉えていた.これらの結果から,教職を目指す学生は生徒指導も含めた全人的な教育を担う教員像を持っていることが推察された.また,教職に就かない学生は,学習指導を中心とする教員像を持ち,その他の活動に対する教育環境改善が望ましいと考えていることが示唆された.

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