市販ドロマイト石灰を用いた養豚排水の色度低減、リン除去技術および処理後の回収資材の有効利用手法の検討

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  • シハン ドロマイト セッカイ オ モチイタ ヨウトン ハイスイ ノ シキド テイゲン 、 リン ジョキョ ギジュツ オヨビ ショリ ゴ ノ カイシュウ シザイ ノ ユウコウ リヨウ シュホウ ノ ケントウ

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説明

畜舎消毒用途で市販されているドロマイト石灰を排水処理用資材に用いて,養豚排水の色度低減,リン除去および処理後の回収資材の有効利用手法について検討した。試験用処理装置には土砂沈殿分離用として市販されているノッチタンク(有効容積0.5 m3)を用いて,活性汚泥処理後の排水(試験の原水)を4.3~5.8 m3/日で連続流入させ,そこに資材を6%濃度以下のスラリー状に調整して0.021~0.153 DW/V%の添加率で連続流入した。処理装置の有効容積当たりの水理学的滞留時間は2.1~2.7時間であり,資材の影響でアルカリ化した処理水は放流前に炭酸ガスを通気することで中和処理を行った。この結果,資材添加率0.1 DW/V%程度で色度低減率は75%程度,リンは100%近い除去が可能であった。また,この添加率では処理水のpHは11程度まで高まり,アルカリ性に弱い病原性微生物の消毒に有効と推測された。一方,処理後に回収した資材には高濃度のリン酸含有(30%)が認められた。この回収資材と原料堆肥を市販のモルタルミキサーで撹拌混合することで堆肥の造粒成型化が図れた。この成型堆肥を施用してコマツナおよびチンゲンサイを栽培したところ,それぞれのリン酸利用率は18.2%および13.6%であり,原料堆肥を施用した場合に比べて高かった。回収資材はリン酸肥料として利用できる可能性があり,また造粒成型化することでリン酸の肥効向上に効果があることが示唆された。

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