成熟期が異なるミニトマトにおける可視・近赤外分光法による非破壊計測機を用いた収穫後のリコペン含量,糖度および重量減少率の経時的変化
書誌事項
- タイトル別名
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- セイジュクキ ガ コトナル ミニトマト ニ オケル カシ ・ キンセキガイ ブンコウホウ ニ ヨル ヒハカイ ケイソクキ オ モチイタ シュウカク ゴ ノ リコペン ガンリョウ,トウド オヨビ ジュウリョウ ゲンショウリツ ノ ケイジテキ ヘンカ
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説明
果実内品質を評価することは青果物を販売するうえで重要である。近赤外分光法は,簡便で迅速な分析が可能であり,非破壊で品質を評価する手段として注目されている。本研究では,ミニトマトのリコペン含量および糖度の非破壊分析について,ミニトマトのすべての成熟期と,さまざまな果色および果形において適用可能な検量線を作成するため,完熟期の果実を対象として収集した先行研究のデータに加え,すべての成熟期のミニトマトを新たに収集し,リコペン含量および糖度の相関係数がいずれもr=0.98,SEC=0.78および0.35,SEP=0.81および0.43,EI値=16.2および12.3%(それぞれn=234および558)の精度が高い検量線を作成した。続いて,催色および完熟期の果実を用い,非破壊(同一個体)および破壊(従来法:別個体)分析により貯蔵日数ごとにリコペン含量および糖度を分析し,経時的変化を比較検討した。さらに,非破壊分析において,果形が異なるミニトマト4品種の緑熟,催色,桃熟および完熟期のリコペン含量および糖度を,同一個体を用いて経時的に分析した。その結果,非破壊分析は,破壊分析に比べて分析に用いる果実数を抑えることができ,簡便かつ短時間で同一個体を用いた評価ができた。本研究は,ミニトマトの同一個体の果実内成分を,非破壊計測機を用いて経時的に分析した初めての事例である。
収録刊行物
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- 日本食品保蔵科学会誌
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日本食品保蔵科学会誌 49 (1), 3-18, 2023-01
東京 : 日本食品保蔵科学会 ; 1997-