小型機船底びき網漁業における曳網速度と時間の削減によるシャコの生残率向上

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  • コガタキセン ソコビキアミ ギョギョウ ニ オケル ヒキアミ ソクド ト ジカン ノ サクゲン ニ ヨル シャコ ノ セイザンリツ コウジョウ

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説明

1.小型底びき網で漁獲される100mm以下の小型シャコを保護するための再放流手法の確立を目的として,漁獲後の生残におよぼす曳網速度の低減および時間短縮操業の効果を検討した。また,再放流時に必要となる生死判定基準の再検討試験を実施した。2.2010年10月から翌年3月に岡山県浅口市地先において,毎月1回の試験操業を実施した結果,いずれの月も全長100mm以下の再放流対象シャコの割合が70%以上と高く,資源管理措置の重要性が確認された。3.生死判定基準の再検討試験では,従来判定法(鰓と脚のみの動きの有無)と屈伸判定法(鰓と脚の動き,かつ体の屈伸運動の有無)による生存個体を飼育したところ,3日後の生残率はそれぞれ90%,100%と非常に精度が高く,特に屈伸判定では死亡個体数を過大評価する可能性があることから,従来判定法が適切と判断された。4.曳網条件別の試験操業による各月の小型シャコの生残率は,対照区でも83.5~96.4%と高く,鰓と脚の動く個体を速やかに再放流すれば高率で生残する可能性が示唆された。5.通常の4ノット30分間を対照として,2ノット30分,4ノット15分,2ノット15分の4条件で計6回の操業により比較したところ,時間短縮区で曳網後の生残率向上の頻度が高く,その有効性が確認された。

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