富山市山岳域自然調査報告(2021)

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タイトル別名
  • Research report of nature in mountain region in Toyama City (2021)
  • トヤマシ サンガクイキ シゼン チョウサ ホウコク(2021)

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説明

富山市山岳域にある折立〜雲ノ平〜水晶岳〜赤牛岳〜黒部湖の登山道沿いの地質、地形、動物、植物の調査を行った。地質では、水晶岳の手取層群から植物化石を採取し、赤牛岳南方でカラミ(鉱滓)と思われるもの、赤牛岳北方の石英脈中に水晶を発見した。昆虫類は約100種、約800個体を確認した。今回の調査時期は植物各種の開花期と合致していたため、訪花性昆虫が多数確認された点が特筆される。特にハナカミキリ類の種数と個体数が多かった。この中には、トホシハナカミキリやクモマハナカミキリなど、亜高山性から高山性の種も含まれている。ハナカミキリ類は林内および林縁に咲く花に多く、雲ノ平などの樹林帯から一定の距離がある日当たりが良い環境では少ない傾向にあった。また、タカネヒカゲ成虫を確認した。同種は主に標高2、500 mより高地に生息する種で、国内では飛騨山脈と八ヶ岳のみに生息する。高山帯の調査ならではの成果といえる。脊椎動物では、水晶小屋南尾根,水晶小屋脇,水晶岳‐赤牛岳間の3地点でライチョウを確認した。植物は、撮影された写真ファイルのExif情報から2308件の植物分布情報を得た。

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